造り手紹介:ZARO (ザロ)

ZARO1348年からスロヴェニア南西部のイゾラという港町でワインを製造しており、700年の歴史を誇るイストラ半島で最古のワイナリーです。

当初は2haのオリーブ畑からスタートしましたが、現在ではぶどう畑とオリーブ畑を合わせて約20haを所有し、家族経営で切り盛りしています。スロヴェニアでは0.5ha以下の小規模生産者が多く、20haは非常に広大です。

 

ZAROは、代々受け継がれてきた伝統を重んじながらも、現代的な手法を取り入れてワイン造りを進化させています。特に1991年にスロヴェニアが独立して以降は、1994年から栽培からボトリングまでの一貫した生産体制を確立しました。

最近では、2015年に世代交代が行われ、現在は32歳のマテーシュが中心となって活動しています。

ZAROの畑には多彩な花が咲き、カバークロップが土壌を守り水分を保持しています。土壌は中性で、海岸から1kmの位置にあり、ミネラルが豊富です。丘の中腹に広がる畑は、南向きで日照時間も長く、海風が湿気を減少させるため、病気のリスクも低いです。

 

 

ワイン造りにおいて、ZAROはキュヴェごとにぶどうの房数や葉の枚数を調整し、区画や収穫のタイミング、選果基準を変えています。

例えば、黒ぶどうのレフォシュクは、フレッシュなロゼワイン用に酸味が最も高い9月上旬に収穫し、上級キュヴェ用には糖度がピークに達するまで待ちます。このため、果汁の糖度は30度に達しますが、酸のバランスが取れており、非常に良い仕上がりになります。ZAROは「ワインの全てはぶどうから始まる」と信じています。

 

自然派ワインを造る理由についてマテーシュは、ワインに対する哲学の根底には「好き」が重要だと語ります。スロヴェニアはオーガニック産業が発展しており、自然に寄り添った栽培が大切です。若い世代が熱心に先輩から学び、イストラの生産者ネットワークで助け合う姿勢は、希薄になりつつある人間関係の中で重要なものです。この挑戦的な精神が、スロヴェニアのワイン業界を今後も牽引していくことでしょう。マテーシュもその一員として、未来を切り拓いていくに違いありません。

 

 

 

 

 

 

 

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