造り手紹介:MAROF (マロフ)

スロベニアのマリボルから車で1時間ほど進むと、オーストリアとハンガリーに隣接するポドラウイェ地方のゴリッチコリージョンが広がります。

 

この地にあるワイナリー「MAROF」を営むのがウロシュという人物です。彼はスロベニアのワイン業界で有名であり、他の生産者からも「ワインが美味しく、人柄も素晴らしい」と評価されています。彼のワイン造りへの情熱は、原料となるぶどう栽培へのこだわりに現れており、「ワインはセラーではなく畑で造るもの」という信念のもと、最高品質のぶどうを育てています。

 

 

実際、収穫時に味わったぶどうは、驚くほどの美味しさで、そのままでもワインの素晴らしさが想像できるものでした。

ウロシュがMAROFを引き継いだのは2007年。彼は畑の規模を45ヘクタールから22ヘクタールに縮小し、家族の手で管理できる範囲に集中しています。また、彼は樽で味をごまかすのではなく、ぶどうそのものの味わいと生産者の腕で勝負しています。彼の哲学は「レシピではなく、センスが重要」というものであり、他者の模倣を嫌い、自分だけのワイン造りを追求しています。職人気質でありながらも繊細で、ワインに込められた想いや哲学が、一つひとつのボトルに表れています。

 

MAROFのワイン造りで特に特徴的なのは「選果」です。ぶどうの圧搾前に2回の選果を行い、未熟果や腐敗果を徹底的に排除しています。スロベニアではこの選果を行う生産者は非常に少なく、高い人件費をかけても品質を最優先する姿勢が際立っています。ウロシュの手掛けるワイン「ブレグキュヴェ」は、その品質の高さにもかかわらず、並級品として提供されており、最高級のコルク「DIAM10」を使用するなど、細部にまでこだわりが見られます。

 

 

ウロシュはプロモーションが得意ではなく、畑とセラーでこそ本領を発揮する職人タイプですが、そのワインは一度口にすれば、誰もがその魅力を感じることでしょう。

 

 

 

 

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